私たちのこと

大分県が大分大学医学部小児科学講座に委託していた事業に「5歳児健診」があります。ある小児科医が数年に渡りこの「5歳児健診」「5歳児相談会」に従事し県内の多くの自治体を訪問し診察していたところ、その小児科医は「良質な児童発達支援事業所は医療を凌ぐ効果が認められることもある」「そのような児童発達支援がいま必要とされている」と感じるようになりました。また彼は「エビデンスのある科学的な手法も療育の根幹に据える事業所も必要だ」「医療との連携が密な児童発達支援事業所があれば更に大きな益を子どもたちやご家族に届けられる」と考える様になりました。

あわせて彼は5歳児健診で「作業療法や言語の訓練など医療が必要だ」「投薬が必要だ」と判断し専門機関に紹介しなければならない患者さんとも多く出会いましたが、どの療育機関も「診察まで6〜9か月待ち」であり、すぐに医療が必要な子どもたちがなかなか受診できない状況が続きました。必要時に診察や訓練を開始できなければ「伸び盛り」にある子どもたちの成長発達の芽を摘み取ってしまうことになりかねない、と彼は危機感を抱く様になり、大分県全体の待機期間を少しでも短くしたいとの想いが強くなりました。また5歳児健診に関わっている各自治体の職員さんも彼と同じ想いを抱いていることがわかりました。またOTやSTという訓練を開始したお子さんの多くは就学を機に訓練が終了となっているため、就学後に発生した困りにも対応できる医療機関が増えて欲しいと巷でささやかれる様になっていました。

「エビデンスのある科学的手法を根幹とし医療との連携が密な児童発達支援事業所」「待機期間の短縮に努める発達クリニック」「就学後の困りにも対応できるクリニック」を作ることが地域の課題だとする彼の想い、その彼の想いに呼応し、この課題に取り組んでいきたいという同志が少しずつ集まって行きました。それは支流が集まって本流となる川の流れの様に、まさに自然な流れでした。せき止めることのできない想いを胸に抱いた者たちが集まり、チームが立ち上がりました。

「施設が必要」とはいえ、建物を建設したらゴールという訳ではありません。良質な建物は子どもたちにとって「くすり」と成り得ますが、良質な薬剤でも誤った使い方をしては十分な効果が得られません。また、この領域には「終わり」は無く、スタッフもご家族も常に学び続ける姿勢が求められています。七瀬川が大分・稙田の地に潤いをもたらしてくれる様に、私たちも、子どもたちやご家族、ひいては大分の大地を肥沃とできるような法人を目指して参ります。

すでに当法人の趣旨に対し多くの方々からご賛同が得られており、ご協力下さるとのオファーを多数頂戴していることを大変ありがたく感じております。法人を通して出会えた方々、お力添えを下さる方々、皆さん「人財」です。スタッフ個々人のパフォーマンスを十二分に引き出すことが私たちの法人の責務と使命と感じており、これらを日々果たしていきたいと考えております。「財」と引き合わせて下さった境遇に感謝しつつ日々精進して参ります。

院長 山口智之

大分県佐伯市出身。福井大学医学部医学科卒業。
大分岡病院臨床初期研修医を経て、大分大学医学部小児科学講座入局し、大分大学医学部付属病院、厚生連別府鶴見病院、豊後大野市民病院、大分市医師会立アルメイダ病院、大分こども病院などで研鑽を積む。2019年より大分大学医学部付属病院発達障害児等子どもの心のネットワーク推進事業 助教として県内の多くの市町村の5歳児健診・5歳児相談会を担当し2021年4月より現職。
日本小児科学会小児科専門医、NCPRインストラクター、PALSプロバイダー。
日本周産期・新生児医学会、日本小児心身医学会、小児精神神経学会各会員。
趣味は美人の妻、オーケストラ、野球、テニス、スキー、読書(宮本輝)など。日本将棋連盟初段。